大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

青森地方裁判所 平成4年(行ウ)1号 判決 1992年12月15日

原告

甲野花子

被告

青森県教育委員会

右代表者委員長

葛西瑛子

被告

青森県人事委員会

右代表者委員長

古内明朗

被告両名訴訟代理人弁護士

石田恒久

主文

原告の請求をいずれも棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  請求の趣旨

1  被告青森県教育委員会が平成二年三月二七日付けで原告に対してした分限免職処分を取り消す。

2  被告青森県人事委員会が、原告の不利益処分に関する審査請求について、平成三年一二月五日付けで原告に対してした被告青森県教育委員会の右分限免職処分を承認する旨の裁決を取り消す。

3  訴訟費用は被告らの負担とする。

二  請求の趣旨に対する答弁

主文同旨

第二当事者の主張

一  請求原因

1  原告は、青森県公立中学校教諭として青森市立新城中学校に勤務していたものである。

2  被告青森県教育委員会(以下「被告教育委員会」という。)は平成二年三月二七日付けで原告に対し、地方公務員法二八条一項一号に基づき分限免職処分を行った(以下「本件処分」という。)。

本件処分の理由は、原告は、昭和六〇年四月一日から青森市立新城中学校教諭として勤務していたが、昭和六〇年一一月一三日から平成二年三月二三日までの間において、再三の指導にもかかわらず、合わせて一二四四時間三一分勤務を欠いたというものであった。

3  原告は、平成二年三月二八日、被告青森県人事委員会(以下「被告人事委員会」という。)に対し、被告教育委員会の本件処分について審査請求を申し立てたが、被告人事委員会は、平成三年一二月五日付けで原告に対する本件処分を承認する旨の裁決(以下「本件裁決」という。)をした。

4  しかし、被告らが本件処分事由として主張するような事実は存在しないから、本件処分及び本件裁決は取り消されるべきである。

5  また、原告は、被告人事委員会に対し、非公開の審査と弁護士を原告の代理人に付けるように要求したにもかかわらず、被告人事委員会は、弁護士を付けることもなく、また、公開の状態で審査を行ったものであるから、その手続において違法があり、本件裁決は取り消されるべきである。

二  請求原因に対する認否

1  請求原因1ないし3の各事実は認める。

2  同4及び5の事実は争う。

被告人事委員会は、被告教育委員会の本件処分に対する原告からの審査請求に対し、適法な審査手続を経て本件裁決をしたものであつて、何ら違法事由は存在しない。

三  抗弁

1  被告教育委員会の原告に対する本件処分(分限免職処分)の具体的理由は、次のとおりである。

(一) 原告の欠勤の時間数(欠勤した日数)は、昭和六〇年度には六時間(三日)、昭和六二年度には二時間(一日)、昭和六三年度には一〇一時間五五分(二〇日)、平成元年度には一一三四時間五六分(一七七日)であった。

(二) 新城中学校校長(以下「校長」という。)らは、原告が欠勤したときはその都度指導を行うとともに、次のように対処したが、原告は、校長らの指導・職務命令等に従わなかった。

(1) 原告は、昭和六三年一一月九日付けで、青森市教育委員会教育長宛に昭和六三年一〇月一日、六日、一四日、二二日、二三日、二九日及び三一日の欠勤に関する顛末書を提出した。

(2) 原告は、平成元年五月八日以降、ほぼ毎日欠勤の状態となったため、同年七月四日、校長は、原告に対し、同月六日午後一時三〇分から青森市教育研修センター(以下「研修センター」という。)において青森市教育委員会学務課長の面接を受けるよう同学務課及び校長名の文書で職務命令を発したが、原告は出頭しなかった。

(3) 校長は、同月七日付けで原告に対し同月一一日午後一時三〇分から研修センターにおいて青森市教育委員会学務課長の面接を受けるよう職務命令を発したが、原告は出頭しなかった。

(4) 原告は、第一学年理科の授業を担当していたが、ほぼ毎日欠勤し、また連絡なしに欠勤することが多かったため、校長は第二学期から原告の授業時数を週二一時間から七時間に減らし、校務分掌も厚生、視聴覚及び保健指導のうち保健指導を外した。

(5) 校長は、同年八月二九日、原告に対し、同年九月四日午後三時三〇分から東青教育事務所所長室において東青教育事務所長(以下「所長」という。)の面接を受けるよう東青教育事務所及び校長名の文書で職務命令を発したが、原告は出頭しなかった。

(6) 校長は、同年九月四日付けで原告に対し、同月一三日午後三時三〇分から東青教育事務所所長室において所長の面接を受けるよう職務命令を発したが、原告は出頭しなかった。

(7) 校長は、原告の欠勤が相変わらず続くので、同年九月一八日から原告の授業時数をなくした。

(8) 同年一〇月七日、校長及び新城中学校教頭は、同日所長が原告宅を訪問し面接することとなっていたため、同日午前一一時ころ原告宅前で待機していたところ、原告が外出から帰ってきたので、校長が所長の面接を受けるよう呼び掛けたが、原告は聞こえないふりをして自宅に入った。

所長が、同日午前一一時一〇分ころ原告宅を訪問し、原告を呼び出したが、いくら呼んでも応答がないため、原告に対し、欠勤に対する忠告として、このまま引き続き欠勤を続けた場合は、懲戒処分又は分限処分になることもありうる旨並びに仮に欠勤が健康上の理由による場合は専門医の診断を受けること、そして、心身に異常ありと診断された場合は、特別休暇を取得することや休職により治療に専念することができる旨を記載した文書を原告宅に差し置いてきた。

(9) 原告は、同年一一月一六日、青森市教育委員会庶務課を訪れ、浜田市民館への転任辞令を請求し、その際、勤務場所を浜田市民館と記入した個人調書(人事関係書類)を持参していた。

校長らは、原告の個人調書に勤務場所を浜田市民館と記入していた事実が判明した以降、新城中学校が勤務場所であり校務分掌における役割があるため新城中学校に出勤するよう督促していた。

(10) 校長は、同年一一月二七日、事務職員を原告宅に訪問させ、同年一二月二〇日、平成二年一月八日、同月一八日、同年三月一三日及び同月一六日、教務主任を原告宅に訪問させたが、いずれの日も原告に会うことが出来なかったため、原告宅の郵便受けに出勤の督促についての書面を投函した。また、原告の親戚に対して、原告が出勤するよう働き掛けを依頼していた。

2  以上のとおり、原告が服務規律を無視し、長期間にわたって上司の命令や指示に従わずに、欠勤を繰り返したことは、勤務成績不良であり、地方公務員法二八条一項一号に該当する。

したがって、本件処分は正当であり、違法なものではない。

四  抗弁に対する認否

1  抗弁1(一)の事実は否認する。平成元年八月三一日までは公休をとっていたから欠勤ではないし、また、原告は、校長から平成元年九月一日付けで浜田市民館への転勤命令を受けたので、同日以降は新城中学校へ出勤しなくとも欠勤扱いとなるものではない。

2  同1(二)の冒頭の事実は否認する。

3  同1(二)(1)の事実は認める。但し、これについては不審があり、提出理由もわからなかった。

4  同1(二)(2)の事実は認める。原告は、出頭要請に対し出頭できないと断っている。

5  同1(二)(3)の事実は認める。原告は、出頭要請に対し出頭できないと断っているし、一応研修センターには行ったが、電流をつけられ過ぎて病人になってしまったため面接を受けないで帰った。

6  同1(二)(4)ないし(6)の事実はいずれも否認する。

7  同1(二)(7)の後段の事実は認める。これは、転勤のための移行措置であると判断した。

8  同1(二)(8)の事実は否認する。被告が原告宅に差し置いてきたと主張する文書は青森市教育事務所長と称する暴力団員が郵便受けに投函していったものである。

9  同1(二)(9)の事実のうち、原告が青森市教育委員会庶務課を訪れ浜田市民館への転勤辞令を請求したことは認め、その余の事実は否認する。

10  同1(二)(10)の事実は否認する。

11  同2は争う。

第三証拠

本件訴訟記録中の証拠目録記載のとおりであるから、これを引用する(略)。

理由

一  本件処分の適法性について

1  請求原因1ないし3(原告の勤務関係、本件処分及び本件裁決の存在)の事実はいずれも当事者間に争いがない。

2(一)  そこで抗弁について判断するに、抗弁一(二)(1)ないし(3)、同1(二)(7)の後段の各事実及び同1(二)(9)の事実のうち、原告が青森市教育委員会(以下「市教委」という。)庶務課を訪れ浜田市民館への転勤辞令を請求したことは、いずれも当事者間に争いがない。

(二)  当事者間に争いがない(証拠略)並びに原告本人尋問の結果(一部)によれば、次の事実が認められる。

(1) 原告は、昭和三四年四月一日に青森市立野脇中学校教諭に採用され、以来、青森県公立中学校教諭として勤務し、昭和六〇年四月一日から青森市立新城中学校教諭として勤務していた。

(2) 原告の欠勤日数(欠勤時間数)は、昭和六〇年度は三日(六時間)、昭和六二年度は一日(二時間)であった。

(3) 原告は、昭和六三年九月二七日まで昭和六三年度の年次有給休暇として一五・五日の休暇をとっていたが、同年一〇月に入ってから同月七日、一三日、二一日、二八日、二九日には各数時間ずつ、同月一日、六日、一四日、二二日、二三日、三一日にはいずれも全一日(但し、一日及び二二日については土曜日につき半日)欠勤した。そのため、原告は、同年一一月九日付けで同年一〇月一日、六日、一四日、二二日、二三日、二九日及び三一日の欠勤に関する顛末書を提出したが、二九日及び三一日以外の日の欠勤の理由として、車の行列や家のまわりへの妨害駐車があり、人間がたむろして道路についている電波を利用して妨害を始めたり、また効果音・妨害電波・不法電波・不正電波の妨害が多く、それらの妨害やゆすりたかりなどに対処するためである旨等を記載していた。原告は、右顛末書提出後も、時々欠勤を続け、結局、同年九月二八日から同年一二月二八日までの間の欠勤日数(欠勤時間数)は、二〇日(一〇一時間五五分)となった。

なお、原告は、昭和六二、三年ころから右顛末書記載のような言動を多く発するようになったため、校長は、昭和六三年三月二五日、原告に対し、同月二八日に弘前大学付属病院精神科で受診し、異常の有無の診断証明書をもらい校長又は教頭に報告するようにとの職務命令を出した。これに対し、原告は、その日は承諾したものの、同月三〇日に校長が右職務命令の履行の有無を確認したところ、原告は、自分はどこも悪くないので受診しない旨の回答をした。

(4) 原告は、平成元年に入ってからも出勤しない日が時々あったが、いずれも年次有給休暇を取っていたため、昭和六三年度の原告の欠勤日数(欠勤時間数)は、それ以上増えず、前記のとおり二〇日(一〇一時間五五分)であった。

(5) 原告は、平成元年四月以降も時々年次有給休暇を取得していたところ、平成元年五月八日以降欠勤する日が多くなり、同年七月三日までの間の欠勤日数(欠勤時間数)は、三一日(一四一時間四〇分)に上ったため、校長は、同月四日、原告に対し、同月六日午後一時三〇分から研修センターにおいて市教委学務課長の面接を受けるよう市教委学務課及び校長名の文書で職務命令を発した。しかしながら、原告は、同月六日は欠勤し、市教委学務課長の面接も受けなかった。

そこで、校長は、原告に対し、再度、同月七日付けで同月一一日午後一時三〇分から研修センターにおいて市教委学務課長の面接を受けるよう職務命令を発した。しかしながら、原告は、同月一一日は午後一時三〇分に早退し、市教委学務課長の面接を受けなかった。

原告の同年七月四日から同月二〇日までの欠勤日数(欠勤時間数)は、一三日(七〇時間五五分)であった。

(6) 校長は、第一学期における原告の欠勤日数(欠勤時間数)が前記(5)のとおりであったため、第二学期から原告の授業時数を週二一時間から週七時間に減らし、校務分掌も厚生、視聴覚及び保健指導のうち保健指導を外した。

(7) 原告は、同年八月に入ってからも時々欠勤し、同月四日から同月二八日までの間の欠勤日数(欠勤時間数)は五日(一四時間五七分)となった。そこで、校長は、同月二九日、原告に対し、同年九月四日午後三時三〇分から東青教育事務所所長室において所長の面接を受けるよう東青教育事務所及び校長名の文書で職務命令を発したが、原告は、九月四日に欠勤し、所長の面接を受けなかった。そのため、校長は、同日付けで原告に対し同月一三日午後三時三〇分から東青教育事務所所長室において所長の面接を受けるよう職務命令を発した。しかし、原告は、同月六日以降もほぼ連日遅刻を続けた上、同月一三日には欠勤し、所長の面接も受けなかった。そして、同月一六日も遅刻の上早退した。

(8) 校長は、原告の欠勤が前記(5)及び(7)のような状態であったため、同年九月一八日から原告の授業時数をなくしたところ、原告は、同日から連日欠勤を続けるようになった。そこで、校長及び新城中学校教頭は、同年一〇月七日、所長が原告宅を訪問し面接することとなっていたため、同日午前一一時ころ原告宅前で待機していたところ、原告が外出から帰ってきたので、校長が所長の面接を受けるよう呼び掛けたが、原告はそのまま自宅に入った。そして、所長が同日午前一一時一〇分ころ原告宅を訪問し、原告を呼び出したが応答がないため、原告に対し、欠勤に対する忠告として、このまま引き続き欠勤を続けた場合は懲戒処分又は分限処分になることもありうる旨並びに仮に欠勤が健康上の理由による場合は専門医の診断を受けること、そして、心身に異常ありと診断された場合は、特別休暇を取得することや休職により治療に専念することができる旨を記載した文書を原告宅に差し置いてきた。しかしながら、原告は、同日以降も連日欠勤を続けた。

(9) 原告は、同年一一月一六日、市教委庶務課を訪れ、浜田市民館への転任辞令を請求し、その際、勤務場所を浜田市民館と記入した個人調書(人事関係書類)を持参していた。そこで、校長らは、原告の個人調書に勤務場所を浜田市民館と記入していた事実が判明した以降、新城中学校が勤務場所であり校務分掌における役割があるため新城中学校に出勤するよう督促したが、原告は、同年一二月二八日までほぼ連日のように一日中欠勤を続けた。なお、校長は、同年一一月二七日に事務職員を、同年一二月二〇日には教務主任を原告宅に訪問させたが、いずれも原告に会えなかったため、原告宅の郵便受けに出勤の督促についての書面を投函した。

(10) 原告は、平成二年に入ってからも年次有給休暇の取得を続け、同年二月五日で同年分の年次有給休暇を全て消化してしまったにもかかわらず、同月六日以降もほぼ連日のように一日中欠勤を続けた。なお、校長は、同年一月八日、同月一八日、同年三月一三日及び同月一六日に教務主任を原告宅に訪問させたが、いずれの日も原告に会うことが出来なかったため、原告宅の郵便受けに出勤の督促についての書面を投函した。また、原告の親戚に対しても、原告が出勤するよう働き掛けを依頼していた。

(11) 結局、原告の平成元年度の欠勤日数(欠勤時間数)は、一七七日(一一三四時間三二分)にのぼった。

以上の事実が認められ、(証拠略)の原告の主張部分及び原告本人尋問の結果(以下「原告本人の供述等」という。)のうち右認定に反する部分は、前掲各証拠に照らしにわかに信用することができない。

(三)  原告は、平成元年八月三一日までの欠勤については公休扱いとなっていたから欠勤にはあたらないし、同年九月一日以降の欠勤については、校長から同日付けで浜田市民館への転勤命令を受けたため学校に出勤しなかったものであるから欠勤にはあたらないと主張し、右主張に沿う原告本人の供述等が存在する。

しかしながら、現行法上学校職員には公休というものはないこと、浜田市民館は町内会の集会所であるから校長に公立学校教諭である原告をそのような場所への転勤を命ずる権限はなく、浜田市民館への転勤辞令は発令されていないこと(<証拠略>、原告本人尋問の結果)に照らせば、原告本人の供述等はにわかに信用することはできないというべきである。

(四)  右(二)認定の事実によれば、校長らの再三の指導・職務命令にもかかわらず、原告の欠勤日数が長期間(長時間)にわたり、その勤務実績が著しく不良であったことは明らかであり、原告を公立学校教諭の職務に引き続き任用しておくことは適当でないと評定されてもやむをえないものがあるから、被告教育委員会が地方公務員法二八条一項一号に該当するとして原告を分限免職に処した本件処分は、分限制度の趣旨・目的に照らし合理性をもつものとして適法であるというべきである。

(五)  なお、原告は、本件処分はその後撤回されたと主張し、原告本人尋問の結果中には右主張に沿う部分があるが、被告教育委員会が本件処分を撤回したことを裏付ける客観的資料はなく、また前記2(二)の原告の欠勤状態と市教委側の対応状況からすれば、被告教育委員会において本件処分を撤回するだけの事情があったことも認められないから、右原告の供述はにわかに信用することができない。

4  以上のとおりであり、本件処分は適法である。

二  本件裁決の適法性について

1  まず、原告は、本件裁決の適否につき、本件処分事由となった事実は存在しないから本件裁決は取り消されるべきであると主張する。

しかしながら、裁決の取消の訴えにおいては、処分の違法を主張することができず(行政事件訴訟法一〇条二項)、当該裁決固有の違法事由に限り主張できるところ、裁決固有の違法事由とは、裁決の主体・手続等の形式に関する違法を意味し、裁決の実体的判断に関する違法は含まれないと解すべきであるから、原告の右主張は、そもそも失当である。

2  また、原告は、被告人事委員会は、原告から原告の代理人として弁護士を付けるよう要求を受けたにもかかわらず、弁護士を付けることなく審査を進め裁決を行ったものであるから、その手続に違法があると主張するが、被告人事委員会において原告に弁護士を付ける権限も義務もないから、被告人事委員会が原告に弁護士を付けなかったことが違法であるということはできない。

さらに、原告は、被告人事委員会は、原告から非公開の審査を要求されたにもかかわらず、公開の状態で審査を行ったものであるから、その手続に違法があるとも主張するが、成立に争いがない(証拠略)、その方式及び趣旨により公務員が職務上作成したと認められるから真正な公文書と推定すべき(証拠略)及び弁論の全趣旨により真正に成立したものと認められる(証拠略)によれば、本件裁決において原告は申立て当初(平成二年三月二八日)は非公開による口頭審理を要求していたが、準備段階の途中である同年七月二五日に口頭審理の請求を撤回したため書面による非公開の審理が行われ、結局、公開による口頭審理は行われなかったことが認められるから、原告の右主張は理由がない。

3  以上のとおりであり、本件裁決は適法である。

三  結論

以上の次第で、本件処分及び本件裁決はいずれも適法であり、原告の本訴請求は、いずれも理由がないからこれを棄却し、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民訴法八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 小野剛 裁判官 今井攻 裁判官 田邊浩典)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例